富士通の ‘小学生向けPC’ のコスパが酷い件【少し性能解説も】

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じぶんパソコン

富士通クライアントコンピューティング株式会社は、
国内初となる小学生向けに設計開発したノートPC「はじめての『じぶん』パソコン LIFEBOOK LHシリーズ」を発表しました。
発売日は2018年7月26日とのこと。

公式HPでは、“ご存じですか?2020 年から情報教育が本格導入されます” というキャッチフレーズで製品が紹介されており、こども向けPCを購入するきっかけをアピールしています。

コスパが悪いって、どのくらい?

仕様表から一部ピップアップ。
性能が低いと言える部分を赤字にしてあります。

以下の構成で、7万円(タッチパネル付きLH55は9万円台)になる模様。

品名 LH55 / LH35
基本OS Windows 10 Home 64ビット
CPU
CPU インテル® Celeron® プロセッサー3865U
動作周波数 1.80GHz
コア / スレッド数 2コア / 2スレッド
グラフィックス・アクセラレーター Intel® HD Graphics 610(CPU内蔵)
メインメモリ(標準 / 最大) 標準4GB(4GB×1)/増設不可
(デュアルチャネル対応可能DDR4 SDRAM PC4-17000)
表示機能
液晶ディスプレイ TFTカラーLCD(ノングレア液晶)
パネルサイズ 14型ワイド
解像度/表示色 1366×768ドット 1677万色
外部ディスプレイ表示
(HDMI出力のみ)
最大4096×2160ドット 1677万色
HDD/SSD 約128GB フラッシュメモリ(SSD)
空き容量 ドライブ割り当て容量 約124GB
ドライブ空き容量 約90GB
オーディオ機能 チップセット内蔵+High Definition Audio
スピーカー/マイク ステレオスピーカー内蔵、デジタル(ステレオ)マイク内蔵
Webカメラ 約92万画素(フロント)+約500万画素(リア)
通信機能
LAN 1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T
無線LAN IEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠、MU-MIMO対応)
Bluetooth Bluetooth v4.2準拠

さて、分かる方なら、上記の表を見て「明らかに低スペック」であることが分かった思いますが、

ここからは PCにあまり詳しくなくて判断が難しい方向けの解説です。参考にどうぞ。

CPU

CPUは、PCの処理を行う場所。処理の速さの指標。
本機で搭載されているのはインテルCeleron 3865Uというものですが、

Celeron(セレロン)はインテルブランドの中で最も低い部類の性能です。
その分、消費電力が少なくて価格も安いわけですが。PCの価格に反映されていると思いますか?

一般的な廉価PCに搭載されている Core i3 シリーズよりも低いです。

ネット、文書作成、Youtube見るくらいならまぁ大丈夫でしょう…というレベルですかね。子供向けPCという観点では特に問題ありませんが、本来ここが価格に反映されてくるポイントです。

つまり、本来はCeleronを搭載した時点で、自然とそのPCのコンセプトが「性能低いけど安い」になります。
CPUのパワーが低いなら、他のパーツもそれに見合うレベルになります。

メモリ

メモリは、同時にどのくらい処理をするスペースを確保できるかという指標。
CPUと同じくらい重要。
ハードディスクやSSD(後述)とは違います。

Windows10 Home なら4GB は必要最低限のラインです。

基本的にメモリとは多いほど良く、CPUの性能やそのPCで何をするのかにもよりますが、CPUがCeleronでメモリ8GB搭載しても処理が速くなるわけではないので、そういったPCはほとんど存在しないはずです。
(8GBにするならCPUはCoreシリーズでないと性能が釣り合ってないし、逆にCoreシリーズなら8GB推奨になるという感じ)

SSD

HDD(ハードディスク・ドライブ)と同じ役割をしているものです。

HDDよりも高速で、物理的にディスクが回転しているものではないので比較的衝撃に強いです。
その反面、HDDよりは高価です。最近はだんだん安くなってきてスタンダードになりつつあります。

解像度

画面の精細さのこと。
大きいほうが画面を広く使えるため、通常はある程度までは高いほど良い。

端的に言えば WXGA 1366×768というのは しょぼい です。
14型ディスプレイにもかかわらずこの解像度はあまりにも低い。
スマホですら、もっと高い解像度の製品はたくさんあります。

⬆ 解像度が低いと、写真や映像がザラついて見える。それだけでなく、ウインドウや文字など全体的な視認性も下がる。

付属ソフト、サービス

PCの性能とは別ですが一応触れますね。

▶プログラミングゼミ

直感的な操作でプログラミングを体験できるソフト。

要りますかこれ?

▶MyCloudスタジオ、タッチペン、ペイント3D

低解像度のディスプレイ搭載しておいてそんなこと言われても…。
グラフィック系の趣味を持っている知人に話したところ、笑ってました。

▶FMVまなびナビ

学研のコンテンツなど、いくつかの学習コースが使えるとのこと。

あと1年以上継続して利用すると、2年目から修理が毎年1回無料になる「あんしん修理特典」と、富士通ショッピングサイト「WEB MART」でパソコンを購入する際に最大1万円分の値引きができる「パソコン割引権」の特典を利用できるらしい。

コンテンツの質がどうかは知りませんが、このしょぼいPCを大事に使わせたいのか、新しいPCを買わせたいのかよく分かりませんね。

性能と価格-総評

製品の ‘‘ がどうなのかは別問題(強度とか、排熱とか…)ですが、
搭載しているパーツの ‘性能‘ から見ると、最低クラス(性能とコストを抑えた)のモデルと言えます。

世の中にはそういったコンセプトの製品はたくさんありますので問題ではありませんが、低スペックモデルなのに価格がバカ高いのが問題です。

僕なら、これで5万と言われれば納得するかな?という感じです。海外メーカーならそのくらいで買えるので。

国内メーカーは昔からそうやって稼いでいるので、ある意味いつもどおりな強気の価格設定ですね。

他製品の参考例

マウス・コンピューターの同クラスの製品はこんな感じ。

CPU 同じ
ディスプレイ 13.3 →少し小さめ(縦横1cm程度の違い)
メモリ 8GB → 4GBと比べて 3,000~4,000円ほどの違いか
SSD 240GB →120GBと比べて 2,000~3,000円程度の違いか

あとは大した違いはありません。

明らかに「じぶんパソコン(LH35)」より性能が高いですが、こちらのほうが安いですね。

ただ正直この6万円代ですら、もっと安いのあるんじゃない?と感じるレベルです。


このPCを魅力的と思っていらっしゃる親御さんがこの記事を見て下さっているのなら、もう一度よく考えるか、PCや情報教育に詳しい方の意見もよく加味して決めてくださいね。

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